電力系の光回線ってどうなんだろう。NTT系の光回線と比べて何が違うのかな。
ネット回線の種類は数限りなくあります。
その中でも通信速度が速く利用者が増えているのが「電力系」と呼ばれる光回線です。
他の回線と何が違うのか、どんな特徴やメリットがあるのかなどについて、本記事で電系回線についてまとめました。
電力系の光回線とは
地域密着型の光回線
電力系ではNTTの回線は用いません。
電力会社系の光回線は各社が独自に整備した電線を使って光インターネットを提供するため、NTTの回線とは明確に異なります。
全国に敷設されたNTTの回線は日本全国で使用できますが、電力系ではその電力の提供エリアでのみ利用できるサービスとなっています。
回線名 | 電力会社 | 提供エリア |
---|---|---|
eo光 | 関西電力系 | 大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 福井県 和歌山県 |
コミュファ光 | 中部電力系 | 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 長野県 |
メガ・エッグ光 | 中国電力系 | 広島県 岡山県 山口県 島根県 鳥取県 |
ピカラ光 | 四国電力系 | 香川県 愛媛県 徳島県 高知県 |
BBIQ | 九州電力系 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 |
提供エリアは限定的になります。
回線の提供には電力提供のための電線を用いるため、電線が届く範囲内や新電力が使える範囲内で利用可となるんですね。
電力系のエリアは西日本が中心です。
現在のところは東海地方〜西日本エリアでのみの利用となるため、東日本エリアの方は電力系以外の光回線を選びましょう。
全国展開されているNTTのフレッツ光やコラボ光回線に比べると、提供エリアが限定されているというのが電力系のまず大きな特徴になります。
電力系光回線のメリット・デメリット
メリット①:回線が混雑しにくい
まずは回線速度の安定度があります。
電力系回線は地域密着型でそもそもの利用者数が少ないため、NTT系の回線と比較すると回線の速度や安定度はやはり高くなります。
日本の光回線利用者のうちNTT系回線の利用者が全体の7割を占めると言われていますので、その分NTT系回線は混雑しやすくなってしまいます。
電力系は利用地域が限られている分、どの時間帯でも混雑しにくく安定して利用しやすいというメリットがあります。
メリット②:通信速度が速い
通信速度は実際に数字としても出ています。
大手通信速度計測サイトの「みんなのネット回線速度」には、各回線利用者の通信速度レポートが毎日集まっています。
2024年8月の通信速度ランキングでも、電力系回線やダークファイバー系回線など、やはり混雑しにくい回線が上位を占めているようです。
光回線の通信速度ランキング
順位 | 回線名 | 平均ダウンロード速度 |
---|---|---|
1位 | コミュファ光ゲーミングカスタム | 1368.43Mbps |
2位 | enひかりクロス | 1162.68Mbps |
3位 | フレッツ光クロス | 1017.26Mbps |
4位 | eo光 | 820.6Mbps |
5位 | NCT光(長岡ケーブルテレビ) | 721.19Mbps |
6位 | コミュファ光 | 675.93Mbps |
7位 | メディアス光NET | 626.51Mbps |
8位 | NURO光 | 623.74Mbps |
9位 | NCV光 | 623.65Mbps |
10位 | スターキャット光 | 594.55Mbps |
11位 | KCT光 | 593.86Mbps |
12位 | ミタスト光 | 585.33Mbps |
13位 | CC9ひかりネット | 561.33Mbp |
14位 | ピカラ光 | 554.26Mbps |
15位 | J:COM NET光 | 552.14Mbp |
16位 | auひかり | 528.39Mbps |
17位 | TNCひかりdeネット | 521.55Mbps |
18位 | CNS光(ケーブルネット鈴鹿) | 510.09Mbps |
19位 | BBIQ光 | 493.64Mbps |
20位 | 愛知 ひまわりネットワーク光 | 480.99Mbps |
みんなのネット回線速度のこちらのランキングですが、直近3ヶ月に計測された295421件の光回線の測定結果を基にランキングされたとのことです。
統計の母数としては十分な数字です。
上位に電力系回線がランクインしていることから、他回線と比べて通信速度の速さは証明されていると言えるでしょう。
通信環境で異なるので必ずしも速度が保証されるわけではないだろうけど、かなり参考にはなるね。
ダークファイバ系や電力系回線は最近いつも上位に入ってきていますね。
メリット③:電力会社ならではの割引がある
電力系はセット割も充実しています。
例えば関西圏では非常にメジャーな回線であるeo光ですが、電気やガスやNetflixなどのセット割引が充実しています。
電気料金とのセット割引はやはり電力系ならではですが、いわゆる「新電力」との併用になるとさらにお得になる場合もあるようですね。
かなりの数がありますね。
電力系回線では通常のセット割に加えて電気料金との割引が増えるため、セット割引の対象数が多くなるように感じられます。
さらにスマホとの割引も対象になり、特にauスマートバリューは全ての電力系回線でセット割が適用されるようになります。
デメリット①:エリアが限定的
電力系回線のデメリットはやはりエリアです。
対象エリアの人にとっては素晴らしい光回線の1つですが、エリア外であればどう望んでもその回線は使うことができません。
特にまだ「新電力」に対応していないマンションであれば、光回線も未対応であるケースがよく見られます。
例えばeo光でもそうです。
マンションが未対応で利用できないケースも多いので、利用前によく確認しておくことが重要です。
eo光のマンション検索では利用可能なマンション名を調べることができるので、電力系回線ではこういった事前の確認をよくしておく必要があります。
デメリット②:引っ越しがしにくい
これも利用エリアの影響ですね。
例えば九州や関西で仕事をしていて、急に関東に転勤となった場合、関東エリアでは電力系回線を引き続き使用することができません。
もし転勤になったらどうするのか?
有無を言わさず「解約」するしかありませんね。
地域密着型の電力系回線では、長く使ってもらうことで割引適用になっているプランが多いです。つまりその分、短期の解約だと違約金も掛かってしまいます。
長期利用には向いています。
逆に短期利用や仕事で転勤がよくある人であれば、違約金のことも考慮しないといけなくなりますね。
電力系回線の料金とプロバイダ
料金は比較的安め
電力系光回線は月額料金がお得です。
例えば中国電力系のメガエッグ光ですが、マンションタイプの一般的な契約だと月額約4,000円で光回線を使うことができます。
さらに中国電力を使っていてメガ・エッグ でんき割プラスを適用すれば、月額約3,500円になります。さらに「auスマホ」であればスマホ代も割り引かれます。
スマホの割引でもお得になります。
auスマートバリューだと現在受付されているプランでは月550円〜11,00円くらいまで割引になることが見込まれますよ。
プロバイダも込み
電力系回線はプロバイダ込みです。
NTTフレッツ光の場合だと、光回線とは別にプロバイダとも契約しないとインターネットがつかえないためどうしても割高になります。
電力系は回線もプロバイダも両方自社で持っているため、わざわざ別個に契約しなくても1契約で済ませることができるんです。
「自社回線+自社プロバイダ」なので、料金も手続きもサポートも一貫しており利用者にとって使い勝手の良いサービスとなっています。
まとめ:電力系回線は貴重な選択肢の1つ
電力系回線は魅力的な選択肢です。
西日本にお住まいの方ならCMなどで1度は聞いたことのあるサービスですし、馴染みのある方も多いと思います。
例えば関西ではeo光が圧倒的に強く光回線のシェアはNo1です。九州の方でもBBIQを聞いたことがない人はいないと思います。
西日本エリアに住んでいる人なら電力系は貴重な選択肢です。
戸建てはもちろんだけど、マンションも対応ならぜひ電力系を選んでみたいね。
電力系回線のポイント
- 提供エリアは限定されている
- 回線が混雑しにくい
- 通信速度が比較的速い
- 別途プロバイダ契約は不要
- 料金が安いところが多い
- スマホやケータイとのセット割がある
実際に電力系の利用者は増加中です。
自社回線に自社プロバイダに自社サポートという一貫性が利用者の支持を集めていることが伺えます。
通信速度でも上位に食い込んでいる電力系回線は、エリアが合えば1度は試してみる価値アリの光回線ですよ。