増え続けるハラスメントの種類。
その数は今や30種類以上とも言われています。これまでは何も問題なかったのに・・。そんな事例が増え続けています。
明らかな嫌がらせなら、分かります。
しかし最近は「そんなことまで?」という事例が急増中です。
ハラスメントの定義
ハラスメント(Harassment)=「嫌がらせ」や「いじめ」の意味で、相手の尊厳や人格を傷つける行為のこと。立場や優位性を利用した嫌がらせ行為。
定義はこうですが、その解釈が拡大中です。
だから以前は問題視されなかったことも、現在はハラスメントして指摘されるケースが増えているんですね。
この記事を書いた人
今では職場の誰もがハラスメントの被害者になる可能性と、逆に加害者にもなってしまう可能性があるので要注意ですよ。
この辺りを本記事で解説します。
被害と加害の両方に注意しましょう。
覚えておきたいハラスメントの定義とその範囲
ハラスメントの対象範囲とは?
ハラスメントの対象は全ての男女労働者。
正規雇用労働者からパート・アルバイトまで、働く全ての人が、被害者にも加害者にもなる可能性があります。
全ての男女労働者が対象
- 正社員
- 派遣や契約社員
- パート、アルバイト
- 取引先社員
- 来訪者
職場と判断される場所
- オフィス
- 業務での移動中(車や電車)
- 会社主催の宴会
- 取引先や出張先
社内でも社外でも起こり得ますね。
職務に関わる人と場所はほぼ全て対象です。
社内の人間だけじゃない所も重要ですね。
取引先や来訪者との間にもハラスメントが発生する可能性があります。
さらに職場だけでなく、一般家庭内や学校や介護施設や公共施設など、職場以外の場所でもハラスメントが起こる場所は広がってきています。
職場以外でハラスメントが起こりうる場所
- 一般家庭内
- 学校や大学など
- 公共施設や公の場所
- 介護施設や福祉施設
職場ではもちろん、他にも色んな場所でハラスメントってあるんだね。
場所もそうですが、友達間や恋人間などの「関係性」においてもハラスメントが指摘されています。
ハラスメントの種類と定義
ハラスメントの感じ方には個人差があります。
他者に対する発言や行動が、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまうのが難しい所です。
意図的な嫌がらせなら、もちろん論外でアウト。意図せず相手を不快にさせた行動も加わり、さらに複雑に種類が増えました。
意図せず相手を不快にさせていた・・。
それら全てを自分で気づくのは非常に難しいことです。
正直、騒ぎすぎでは?
という声が世の中に多いのも事実ですね。
上記を踏まえたうえでご覧下さい。
全部で30種類以上はあります。
仕事や職場で特に関係が深い4大ハラスメント
①セクハラ
性別を問わず性的な発言や行為はセクハラに該当します。2013年にはセクハラ指針が改正され、同性への性的発言もハラスメントに含まれるようになりました。
②マタハラ
妊娠や出産、育児に関わることで何かしら不当な扱いを受けること。女性のみに関らわず、育児休暇の申請や取得に対する嫌がらせ行為が社会問題化しています。
③パワハラ
職務上の地位や優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的身体的苦痛を与えること。又は職場環境を悪化させる行為のこと。業務上必要な指導を超えている悪質な場合はパワハラになります。
④モラハラ
精神的に追い込む言動や行為のこと。
口調や態度は高圧的でなくても、無視や冷笑や陰口、業務妨害や情報共有されないなどはモラハラに該当します。
この4つは特に被害にも加害にも要注意。SNSでも大きく拡散されるほど、社会問題になっているね。
そうですよね。そしてここから先が最新のハラスメント全30種類です。
最新のハラスメント全30種類
セカハラ
セカンドハラスメント。
セクハラ行為を告発したことで、さらに二次被害を受けること。会社からの口止めや圧力を掛けられる行為。
ジェンハラ
ジェンダーハラスメント。
これまで考えれていたような「女らしさ」や「男らしさ」など、時代にそぐわない価値観を押し付ける行為や言動はジェンハラに該当します。
ソーハラ
ソーシャルハラスメント。
部下に友達申請を迫ったり投稿に「いいね」を押すことを迫る行為。
今の時代ならではという感じもしますが、私自身も過去、やりたくもないのに無理やりSNSのアカウントを作らされたことがありました。
エイハラ
エイジハラスメント。
年齢による偏見や嫌がらせ行為のこと。年齢のことを過度にいじったり、年齢で馬鹿にするような発言が必要以上に繰り返されるのもエイハラになります。
レイハラ
レイシャルハラスメント。
偏見による人種差別的な嫌がらせや行為のこと。外国人労働者やハーフの人に対して行われる差別的行為が該当します。
ジタハラ(時短ハラスメント)
最近増えているのがこのジタハラです。
働き方改革の影響で、今度は逆に無理やりでも定時で帰らせようとする上司が増えています。
負担する業務量やノルマが減っていないにも関わらず、無理に時短させられる行為はジタハラになります。
アルハラ
アルコールハラスメント。
部下に飲酒や一気飲みを強要する行為は最近は大分少なくなってきたように感じます。
私のブラック企業時代は飲み食いの強要は当たり前で、激辛や大食いもかなりさせられました・・。
カラハラ
カラオケハラスメント。
カラオケで歌うこと強要する行為。
世界一ムダな時間が二次会のカラオケで、歌わないと「つまらないヤツ」扱いされて上司からの評価が下がるとか、意味不明すぎです。
スメハラ
スメルハラスメント。
過度な香水がNGというのは何となく分かりますが、香水だけではなく、強めの柔軟剤・体臭や口臭・加齢臭も該当します。
もはや臭いオジサンは、存在だけでハラスメントになっちゃうんですね・・。
リスハラ
リストラハラスメント。
リストラ対象者に対して退職を迫る行為や嫌がらせのこと。
不当な配置転換や退職強要がリスハラに該当し、あまりに酷い場合は慰謝料や損害賠償請求の対象にもなります。
オワハラ
就活終われハラスメント。
内定を餌に他の就職活動をやめさせようとする行為や言動のこと。
面接を4次5次まで先延ばしにして、わざと他社を受けにくくさせるなど、悪質な行為が近年問題化してきています。
ロジハラ
ロジカルハラスメント。
正論や論理的な言葉で相手を追い詰めること。相手の価値観や不安を無視した押し付けまでになると、ハラスメントと判断されるようです。
テクハラ
テクノロジーハラスメント。
パソコンなどITスキルの高い人が、自分の優位性を利用してマウントを取ったり、スキルの低い人へ嫌がらせ行為を行うこと。
「こんな事もできないの?」
「そんなことも知らないんですか?」
スモハラ
スモークハラスメント。
喫煙者が非喫煙者に対して煙草を吸うことを強要すること。非喫煙者の近くで喫煙し、受動喫煙させることもスモハラに該当します。
パーハラ
パーソナルハラスメント。
個人の主義嗜好やクセ、人と違う容姿などを理由にいじめや嫌がらせを行う行為。個性を認めず「変な人」呼ばわりしてしまうこと。
マリハラ
マリッジハラスメント。
独身の人に対して「まだ結婚しないの?」と、執拗に結婚することを勧めてきたり、独身であることを馬鹿にしてくること。
エアハラ
エアーハラスメント。
真夏の猛暑日でもエアコンの使用を禁止したり、逆に温度を必要以上に下げようとしてくること。周囲を無視して過度に温度を上げ下げすると、エアハラになります。
エレハラ
エレクトロニックハラスメント。
レーザーや電磁波、電波などのエネルギー媒体によって行われる嫌がらせのこと。意図的に人体に照射すると、精神的・肉体的苦痛を与えます。
ラブハラ
ラブハラスメント。
恋愛に関する話題で相手にマウントを取ったり、自分の恋愛の充実度で他人に苦痛やストレスを与える行為。
ゼクハラ
ゼクシィハラスメント。
女性が結婚情報誌を部屋にわざと置いてアピールすることで、男性にプレッシャーを掛けること。決して嫌がらせではないと思いますが・・。
ブラハラ
ブラッドタイプハラスメント。
血液型によってその人の印象や性格、人間性までもを勝手に決めつけてしまうこと。血液型による偏見でいじめの対象とすること。
カスハラ
カスタマーハラスメント。
顧客の行き過ぎた要求やクレーム行為のこと。謝罪の要求が行き過ぎて店員に土下座させた、などの行為が問題になりました。
フォトハラ
フォトハラスメント。
本人の許可もなく写真を勝手にSNS等にアップする行為。意図的でなかったとしても、相手を傷つける可能性があります。
テクハラ
テクスチュアルハラスメント。
文章の内容から「女性にこんな文章は書けない」「この文章を書いたのは男だ」と偏見で決めつけてしまう行為。
スクハラ
スクールハラスメント。
学校の先生が生徒に対して行う性的嫌がらせのこと。恋人の有無を執拗に聞いてきたり、下着姿にさせたり身体を触るなどの悪質な行為。
ドクハラ
ドクターハラスメント。
医者の立場を利用して、無力な患者へ精神的負担を与えること。態度や言動で不安にさせたり、不必要な治療まで受けさせようとする行為。
アカハラ
アカデミックハラスメント。
大学教授が自分の立場を利用して、学生に対し行う嫌がらせ行為のこと。単位を与えないなど、露骨な行為が問題になりました。
家事ハラスメント
カジハラ。
家庭内で起こるハラスメントで、特に女性の家事に対する評価を著しく低く下げられる行為を指します。
しかし最近では、夫の家事に対する妻からの執拗なダメ出しという逆パターンも増えてきました。
シルハラ
シルバーハラスメント。
介護を受ける立場のシルバー世代や高齢者に対して、肉親や介護職員が精神的に罵倒したり、肉体的な攻撃を与えること。
ペットハラスメント
公共の場でペットにリードを付けない状態にして、ペットが苦手な人に恐怖心を与えてしまうこと。自分にとってはどれだけ可愛くても、犬や猫などが苦手な人もいます。
ハラスメント被害にあった時の対処法とは
ハラスメント対策の動き
近年は法制化がかなり進んでいます。
世の中の流れとして、対策に対する温度感も高まってきました。
法制化の流れ
- 1997年
女性に対するセクハラ規定が整備 - 2007年
事業主へセクハラ対策の義務化 - 2008年
事業主へハラスメント対策の義務化 - 2013年
セクハラ指針の改正(同性への性的発言も含まれる) - 2017年
事業主へマタハラ対策の義務化 - 2020年
パワハラ防止法施行(中小は2022年4月から)
職場では特に以前より温度が上がっています。
「ハラスメント対策室」を設置している企業も多いです。
これだけ法制化も進んでいる世の中で、企業が対策しないのは即コンプラ違反になります。もし被害に合ったら、遠慮せずにすぐ相談しましょう。
中規模以上の会社なら、会社に相談窓口を設けていることがほとんど。
悩んでいるなら即行動です。
ハラスメントは我慢しないこと
会社には相談窓口がない・・
あっても会社には訴えにくい・・
実際会社は何もしてくれない・・
こんな悩みがある人は、公的機関に相談しましょう。
今の時代、いくらでも窓口はあります。
無料の公的相談窓口
これでもまだほんの一部です。
社会には意外とセーフティネットが多いので、心配ないですよ。
被害を受けた側が泣き寝入りにならないためには、すぐに声を発することです。
ハラスメントを見つけたり感じたりしたら即行動しましょう。